病院薬剤師のメリットデメリットについてはこちらをご覧下さい。
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はじめに
2018年の段階で薬局に勤めている薬剤師の割合は約60%と病院20%やその他の業種と比べても一番多くなっています。
また今や日本の薬局の数は59000点を超え、コンビニよりも多い状況となっています。そんな中で薬局の収益源となる調剤報酬も大きく改訂され、今後は薬局の数が大幅に減少していくことが予想されます。
今回はその中でも調剤薬局の薬剤師の仕事のメリットとデメリットをお伝えします。
調剤薬局薬剤師のメリット
・患者の事を深く見れる
病院との違いとして、病院薬剤師の場合、退院した後の患者の状況は分かりません。一方で調剤薬局であればかかりつけ薬剤師や在宅など普段の患者の状況まで介入できるので、長期的により深く患者と向き合えるというメリットがあります。
特に近年は国の施策によって、かかりつけ薬剤師の推進が求められています。かかりつけ薬剤師が介入することによって患者の薬を一元管理でき、残薬などを減らすことができ必要性が高まっています。
・休日が多く勤務時間が規則的(プライベートの時間が充実する)
病院やドラッグストアと違い、年間110〜120日以上休日がある調剤薬局が多いので、比較的休みが多いことや、勤務時間も病院のように当直がなく、ドラッグストアのように基本的には日・祝は閉局している所が多いので休みの充実や規則的な勤務時間で働くことができるでしょう。
普段は薬局で働きながら、勤務後に習い事をしている方や、副業をしている方なども多くいますので、普段の仕事だけじゃなくそれ以外のことに取り組みたい方にも向いています。
・長く働くことができる
大規模な総合病院であれば夜勤や当直があり、またドラッグストアも営業時間が長かったり、土日祝も営業している所もあるので、結婚後や腰を据えてゆったりと働きたいといった場合には一番調剤薬局が選択肢としては良いでしょう。
また求人の数も病院や企業に比べて圧倒的に多いので、薬局である程度の業務をこなせるようであれば、選択肢は増えるでしょう。子育てや親の介護との両立、その他の理由で勤務時間に制限がある場合などでもパートで勤務される方も多くいます。
一番転職しやすい業種でもありますので薬局勤務の経験は非常に大きな財産となるでしょう。
・給与がどんどん上がっていく可能性あり
冒頭で薬局が淘汰されていく時代が来ると記載しましたが、一方でかかりつけ薬剤師や、在宅において薬剤師の重要性は高まっており、優秀な薬剤師であれば
非常に高年収が期待できます。
薬剤師個人の視点で考えると稼げる薬剤師とそうでない薬剤師に二極化していくことが考えられます。
アメリカでは薬剤師が年収1000万を超えることがありますが、日本でもそういった人材が出て来るでしょう。
また独立する薬剤師も非常に多いので、独立して成功すれば、年収はどんどん上がっていく可能性があります。
調剤薬局薬剤師のデメリット
・患者のカルテや検査値など細かい部分までは見えない
病院との大きな違いになりますが、患者さんのカルテが見えないため、検査値など詳しい患者さんの症状まで見えにくいことがあります。
また現場での臨床的な薬物治療においては病院で働く方がより専門的に学べるでしょう。
患者さんの疾患をトータルに見ることができ、幅広い業務が経験できる病院と比べると若干薬局においてはデメリットになり得るでしょう。
・狭い職場も多く人間関係が難しい
店舗にもよりますが、狭い環境で数人で勤務するような薬局の場合一日のほとんどの時間を一緒に過ごすことになりますので、職場の人と合わなければ非常に辛い環境といえるでしょう。
若手薬剤師の中にも、調剤薬局は狭くて窮屈なのでドラッグストアが良いという学生さんもいらっしゃいます。
薬剤師の転職理由として非常に多いのが人間関係です。特に若手の場合や配属先の先輩や薬局長などの上司が合わない場合は業務を続けることが困難になります。また人間関係はなかなか見えづらい部分でもありますので、転職の際にも判断が難しいことが多いです。
・仕事が単調になる場合がある
調剤薬局の薬剤師の日々の仕事内容としては基本的には、
・調剤業務
・服薬指導
・薬歴の管理 です。
薬局によっては一般薬剤師が在庫管理やOTCの販売や在宅関連業務を行うことがありますが、上記業務が一般的です。なので、薬局によっては仕事内容が単調になるケースがあります。
単科のクリニック門前など品目数の少ない調剤薬局や在宅の実施していない薬局ではさらにそういった傾向があるでしょう。
これも薬局次第ですが、管理栄養士と協力して食事指導を行なっている所があったり、健康食品や化粧品などが充実しているような薬局、また在宅に積極的で薬局内の仕事だけでない業務がある所、リクルーターなど様々なキャリアが積める環境など薬局によって非常に違ってきますので自分が薬局を選ぶ上で重視する事はなにかを考えた上で選ばれると良いでしょう。
ただ、現在は在宅の推進もあり、薬局内で注射剤の調整などを行っている所も増えており薬局の役割が広がっています。特に若手の場合は、単科で品目数が少ない所よりも、科目数や品目数が多く様々な薬剤に触れられる環境が良いでしょう。
・コミュニケーション能力の低い薬剤師は厳しくなっていく
2019年の4月2日に非薬剤師でも医薬品のピッキングが可能になったため、調剤報酬改定でも薬剤師の業務を対物業務から対人業務へ移行していくよう進めています。
なので、今後は薬剤師個々においても服薬指導等で信頼を得てかかりつけを任されるような薬剤師はどんどん重宝され逆に、対人業務の苦手なコミュニケーション能力に少し難のある薬剤師はどんどん厳しくなっていくことが予想されます。
どういった薬剤師が今後生き残っていくかを早い段階で意識し、若い内からスキルアップしていくことが重要です。